リオ卓球個人戦でベスト4に残りながら銅メダルを獲得できなかった福原愛さんでした
が,団体戦では石川佳純さん,伊藤美誠さんと共に3位決定戦で勝利し,ロンドンオリ
ンピックに続き2大会連続のメダルを獲得しました。ここでは,3位決定戦での結果にこ
こまで福原愛さんが戦ってきた団体戦での結果や団体戦に臨む前のコメント,銅メダル
決定後のコメントを交えながら,リオ卓球女子団体の銅メダルの喜びをかみしめたいと
思います。
卓球女子団体3位決定戦の結果速報!
8月15日(日)(現地時間)の試合結果
日本,銅メダル! 2大会連続のメダル獲得
シンガポール 1 3 - 2 3 日本
0 - 3
1 - 3
0 - 3
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第1試合 シングルス
選手名 得点・結果 選手名
ユ・モンユ 3 4 - 11 2 福原愛
11 - 5
11 - 3
4 - 11
11 - 5
日本,福原が第1試合を落とす
第2試合 シングルス
選手名 得点・結果 選手名
フェン・ティアンウェイ 0 10 - 12 2 石川佳純
6 - 11
7 - 11
第2試合,エース対決を石川が勝利
第3試合 ダブルス
選手名 得点・結果 選手名
ユ・モンユ 1 11 - 9 3 福原愛
ジョウ・イーハン 9 - 11 伊藤美誠
1 - 11
12 - 14
福原,伊藤組が勝利
第4試合 シングルス
選手名 得点・結果 選手名
フェン・ティアンウェイ 0 9 - 11 3 伊藤美誠
4 - 11
6 - 11
卓球女子団体の準決勝までの試合結果!
8月12日(金)の試合結果
1回戦
日本 3-0 ポーランド
(石川佳純 3-0 グジボフスカ)
(伊藤美誠 3-1 リー)
(福原・伊藤 3-0 グジボフスカ・パルティカ)
8月13日(土)の試合結果
準々決勝
日本 3-0 オーストリア
(福原・伊藤 3-1 カンビン・ポルカノワ)
8月14日(日)の試合結果
準決勝
日本 2-3 ドイツ
(伊藤美誠 2-3 ペトリサ・ソルヤ)
(石川佳純 3-2 シャオナ・シャン)
(福原・伊藤 2-3 シャオナ・ペトリサ)
(石川佳純 3-0 シャオナ・シャン)
(福原愛 2-3 イン・ハン)
個人戦でメダルを獲得できなかった後の福原愛さんのコメント
「4強に入ってメダル決定戦で勝てず,ものすごく悔しい。この悔しさを団体戦にぶつけようと思う。(石川)佳純ちゃんも(初戦敗退で)すごく悔しい思いをしていると思うし,(伊藤)美誠も応援してくれていて,悔しい思いをしていると思う。3人で力を合わせて,絶対にメダルを取って帰りたい。個人戦では結果的にメダルを獲得することができなかったけれど,練習してきたものは出せているのかなという自信はある。個人戦で戦った自信を持って団体戦を戦いたい」
3位銅メダル獲得後の村上泰和(やすかず)監督へのインタビュー
「それでは日本の女子の村上監督にお話を伺います。連続のメダル,おめでとうございます。」
村上泰和監督:ありがとうございます。
「良かったですねぇ。」
村上泰和監督:まあ理想は中国を決勝で倒したいと,こういう目標を4年間掲げてやっ
てましたから少し残念なところはありますが,最低目標のメダルは獲れ
ましたので,嬉しいです。
「選手たち,よく頑張ったんじゃないんですか?」
村上泰和監督:はい。最後は全員の勝利ですから,嬉しいですね。
「準決勝とは少しオーダーを変えて今日臨みましたけど,どんな狙いがあったんでしょうか?」
村上泰和監督:3人が一番対戦しやすい順番に並べて,その通りなりましたので,オー
ダーはベストだったと思います。
「最後,シングルス,高校生の伊藤選手,頑張りましたね。」
村上泰和監督:はい,まあ,ドイツ戦で2敗してましたから,意地を見せてくれて,本
当に嬉しいです。
「本大会を全体振り返って,監督の目から,どう映りましたか,選手たちは。」
村上泰和監督:東京という目標があって,そこに向けて,やはりまだ,みんな,頑張れ
るなと思いました。楽しみです。
「前回の銀メダルの重圧もあったかと思いますが。」
村上泰和監督:はい,重圧はありました。
「その中で,この銅メダルというのは,改めていかがですか。」
村上泰和監督:まあ,70点ぐらいで,そんなにいい点数はつけれないと思います。
「福原選手が途中足にテーピングをする姿もありましたが,もう,いっぱいいっぱいだったんじゃないでしょうか?」
村上泰和監督:そうですねぇ。昨日まではテーピングしてました。今日はずして試合に
臨んだんですが,やはり少し痛みが出て,テーピングをしました。
「相当責任感の強い選手で,最初のシングルスを戦いましたけど,どうご覧になってたんですか?」
村上泰和監督:はい,やはりトップで負けたことがチームが負けてしまうんじゃないか
ということで,ダブルスをすごく頑張りましたよねぇ。
「ダブルス,本当,頑張りましたね。」
村上泰和監督:まあ,さすがオリンピック4回目の経験者だと思います。
「ありがとうございました。」
村上泰和監督:はい,ありがとうございました。
3位銅メダルを獲得した後の石川佳純さんへのインタビュー
「さあ,それでは石川選手です。おめでとうございます。」
石川佳純さん:ありがとうございます。うれしいです。
「連続メダルですよ。」
石川佳純さん:最高です。はい,良かったです。(思わず,こみあげる涙が。鼻を掴み
ながら,涙声を抑える感じで)メダルが獲れて良かったです。
「団体戦は全勝ですよ。」
石川佳純さん:はい,今日の試合は,おととい負けてすごく悔しかったので,みんなで
ホントに一丸となって戦いましたし本当に3人で勝ち取った勝利です。
「今日の相手は前回のオリンピックで,3位決定戦で敗れた相手だったですね。」
石川佳純さん:はい,そうですねぇ。4年前とはやっぱり違う自分を見せたいという気
持ちでしたし,今日は自分の力を出せれば絶対勝てると思ってました
し,0対1で回ってきても,絶対自分が1,1に戻すんだという気持ちで
頑張りました。
「個人のシングルスから,良く気持ちを切りかえて,ここまできたと思いますが。」
石川佳純さん:はい。まあシングルスは本当に残念でしたけど,団体でもメダルが欲し
かったので,こういうふうに銅メダルを獲得できて,ホントにホントに
嬉しいです。
「最後,自分のところまで回る前に,勝負が決まりましたね!」
石川佳純さん:絶対に村上監督に2番終わった後に,絶対に5番の準備をしとけよという
ふうに,気持ちを切らさないようにって言われたので,本当に最後の
10本取るまで,緊張をずっと保っていようと思いました。
「高校生の伊藤選手の頑張り,どう見ていましたか?」
石川佳純さん:ずばらしいです。この最後プレッシャーがかかるところで思い切った
プレーをしてくれて。はい,本当に,みんな3人,頑張りました。
「メダル無しとメダル有りでは,全然違いますもんね~。」
石川佳純さん:そうですねぇ。たくさんの方が練習してくれたり応援してくれたので,
やっぱりメダルを持って帰ることが出来て,嬉しいです。
「応援は日本の応援の方が大きかったと思いますけども,聞こえてましたか?」
石川佳純さん:はい,勿論聞こえてました。ホームのような感じで試合が出来ました。
「前回の銀メダルの重圧というものは,無かったですか?」
石川佳純さん:そうですねぇ。正直,無いと言ったら嘘になりますし,プレッシャーは
もちろん凄くあったんですけど,でも,シングルスでの負けから気持ち
を切りかえて,3人で頑張ることが出来ました。
「ありがとうございました。」
石川佳純さん:ありがとうございました。
3位銅メダルを獲得した後の伊藤美誠さんのコメント
「さあ,それで配当選手にお話を伺います。おめでとうございました。」
伊藤美誠さん:ありがとうございます。
「やりましたねぇ。」
伊藤美誠さん:はい。最後の4番ということで,前回負けてる相手だったので,もう
向かっていきました。
「本当によく頑張りましたね。」
伊藤美誠さん:そうですね。ダブルスと続けてだったのですけど,逆に,続けてだった
ところが良かったのかなぁと思います。
「先輩たちと掴んだこの銅メダルはどうですか?」
伊藤美誠さん:絶対に獲るという,メダルを獲るという目標を立てていたので,この
チームにまず組めて光栄ですし,この3人でメダルを獲れて凄く嬉しい
です。
「先輩たちを手ぶらで帰すわけにはいかない。」という言葉もありましたけども,その
通りになりましたね。」
伊藤美誠さん:そうですね。自分が4番で回ってきた時に,ここでしっかり決めるとい
う思いで臨んだのでやっぱり力が発揮できて良かったなぁと思います。
「シングルスの試合を見てますと,非常に落ち着いた表情に見えましたが,心の中はど
うだったんですか?」
伊藤美誠さん:やっぱり,自分はいつも声に出さない人なので,落ち着いてゆっくり
やって,そこから最後勝った時に,声を出そうかなぁと思っていた
ので,そうなって良かったなと思います。
「勝った瞬間,喜びがはじけましたねぇ。」
伊藤美誠さん:そうですね。はい,凄く嬉しかったので,やっぱり,みんなで掴んだ
メダルということは,シングルスよりも,もっともっと嬉しいメダル
だったんじゃないかなぁと思います。
「お母さんの顔は見えました?」
伊藤美誠さん:いえ。ちょっと身長ちっちゃくて,見えなかったです。あの,おじい
ちゃん,おばあちゃんはちょっと見えたんですけど。お母さんの顔は
残念ながら見えなかったです。(大きく笑いながら)
「ゆっくり,又,お母さんと話してください。」
伊藤美誠さん:はい,ありがとうございます。
「ありがとうございました。」
伊藤美誠さん:ありがとうございます。
3位銅メダルを獲得した後の福原愛さんのコメント
「それでは,福原選手です。おめでとうございます。」
福原愛さん:ありがとうございます。
「良かったですねぇ。」
福原愛さん:はい,本当に良かったです。
「連続のメダルを獲得して,今,改めて,どんな気持ちですか。」
福原愛さん:ごめんなさい。(涙が止まらない状態)本当に足を引っ張ってばかりで,
みんなに感謝してます。
「最後,大事なダブルスで本当に頑張ったと思いますが。」
福原愛さん:はい。一昨日も負けてしまって何度も何度も思い出しては後悔してっとい
う昨日と今日だったんですけれども絶対に死ぬ気で勝ちに行きました。
「最後,伊藤選手のシングルスの時は,祈るような表情で見ていましたけども,どんな
気持ちでしたか?」
福原愛さん:はい,私も今回のシングルスで対戦をした相手だったので,出来る限り
アドバイスを送って,あとは,もう本当に私も日本の皆さんと同じで,祈
るしかできなかったので,全神経を美誠に注いでいました。
「今回のオリンピックは,シングルスで最高のベスト4までいって,そして,団体では
銅メダル。振り返っていかがでしょうか?」
福原愛さん:もちろん,凄くいい試合もあったんですけど,悔しい試合もそれと同じく
らいあったので,とても本当に苦しい,苦しいオリンピックでした。
「ゆっくり休んでください。」
福原愛さん:はい,ありがとうございます。
「お疲れさまでした。おめでとうございました。」
福原愛さん:ありがとうございました。
インタビュー後のリオ現地スタジオからの話は,これです。
まず,村上恭和(やすかず)監督や福原愛さん,石川佳純(かすみ)さん,伊藤美誠
(みま)さんのインタビューが始まる前の話です。
“女子団体,シンガポールに勝ちました。銅メダル獲得です。おめでとうございます。よ
うやく福原選手が思いきり涙を流すことが出来ました。喜びの涙です。日本3位決定
戦,シンガポールに3対1で勝ちました。本当に胸が熱くなる試合でした。第1ゲームを
落とした日本でしたが,第2ゲーム,石川佳純選手が相手のエースをねじ伏せて,流れ
を作りました。そしてダブルスでは,福原選手が終始伊藤選手に声をかけながら無事に
勝利。第4ゲーム,伊藤選手を見守る福原選手の目には涙も浮かんでいました。伊藤選
手,本当にすごかったです。”
次は,村上監督,福原愛さん,石川佳純さん,伊藤美誠さんのインタビューが終わってからの話です。
“福原選手はじめ,3選手の笑顔のインタビューでした。改めて,3人の背負ってきたも
のの大きさ,そして,日本中の期待に応えてくれて,本当にありがとうという気持ちを
伝えたいです。(ここでいくつか応援メッセージを伝える。その中の一つ。『おめでと
う!愛ちゃんの涙にこちらも涙~』)シンガポールに対しての3対1での勝利。日本から
も祝福のメッセージ,続々と届いています。今大会卓球団体を見てきて,このリオで3
選手の絆がより強くなったように感じました。悔しい思いもたくさんあったんですが,
これで2大会連続のメダル獲得です。これで日本のメダルの獲得数が28になりました。
日本,28個目のメダルは,卓球女子団体の3人で力を合わせて勝ち取った輝く銅メダル
でした。”
リオ卓球女子団体銅メダルの結果を残してくれた福原愛さん,石川佳純さん,そして,
伊藤美誠さん,本当にありがとうございました。そして,お疲れさまでした。
リオ卓球女子個人戦での無念を本日晴らすことが出来,あの時の悔しさが今日の喜びに
つながりました。改めまして,銅メダル,おめでとうございました。そして,最後の感
動をありがとうございました。